A. レジオネラ属菌は自然界に広く分布する細菌で、『日和見感染』を起こす細菌です。健康な人に対する病原性は低いものの、高齢者や新生児、大酒家、喫煙者、透析患者、移植患者や免疫機能が低下している人は、レジオネラ肺炎のリスクが高いとされています。重篤な場合は命に関わることもあります。
レジオネラ対策の基礎知識Q&A
安全な設備運用のためのレジオネラ対策
レジオネラ属菌は、適切な水質管理や設備管理によって発生リスクを低減することができます。
ダイヤアクアソリューションズは、長年培ってきた水処理技術と豊富な実績をもとに、冷却水設備のレジオネラ対策をサポートしています。
Q. レジオネラ属菌は、ヒトに対してどれだけ危険ですか?
Q. レジオネラ症は「感染症法」の四類感染症ですが、患者は隔離されますか?
A. 医師による保健所への届出が義務付けられていますが、ヒトからヒトへの感染は確認さていませんので、患者が隔離されることはありません。
Q. レジオネラ属菌は冷却水循環系のどこに生息していますか?
Q. レジオネラ属菌はどのように冷却塔へ入り込むのですか?
A. 土壌や河川など自然環境に広く存在するレジオネラ属菌が、土埃などとともに空気中を運ばれ、冷却塔から冷却水中に混入すると考えられています。
Q. レジオネラ属菌の検査はどのくらいの頻度で実施すべきですか?
A. 「レジオネラ症防止指針(第5版)」に記載の「感染危険因子の点数化(スコア化)と対応」に基づき、設備のリスク評価(菌の増殖要因・エアロゾル発生・利用者のリスクなど)に応じて検査頻度を決定します。
Q. レジオネラ属菌はどのように検査するのですか?
A. 一般的な細菌検査法では検出できないため、専用の方法での検査が必要となります。冷却水を採取して「レジオネラ症防止指針(第5版)」に記載の方法に従って検査を行います。
Q. 冷却水を採取する容器はどのようなものが使用できますか?
A. 滅菌したポリエチレン製などの容器を使用してください。滅菌ポリエチレン容器は弊社から購入できます。
Q. 塩素系薬剤を使用している冷却水を採取する際に注意することはありますか?
A. 採取時に、25%チオ硫酸ナトリウムを1/500量添加し、中和処理を行います。(同様な容器が市販されています)
Q. 採取容器に冷却水を充填する際に注意することはありますか?
A. 必ず上部に空間を残した状態(空気を入れた状態)にします。500mLの目盛りまで入っていれば十分です。上部に空きがない場合、酸素不足により菌数が減少する可能性があります。
Q. 丸型冷却塔から採取する際に注意することはありますか?
A. 丸型冷却塔は流下水を採取します。その際、充填材に汚れ(スライムなど)が多量に付いている場合は、それらが混入しないよう十分に注意します。
Q. 角型冷却塔から採取する際に注意することはありますか?
A. 角型冷却塔は下部水槽より採取します。その際、補給水供給口近傍での採取は補給水により希釈されてしまう恐れがあるため避けます。
Q. 物理清掃や化学洗浄後に採取する際に注意することはありますか?
A. 冷却塔および配管のフラッシング(水洗)を十分に実施し、スライムや堆積物などを排出し、冷却水が清澄になってから採取します。
Q. 採取した冷却水を検査機関に送る際に注意することはありますか?
A. 冷却水は採取後、速やかにクール便で検査依頼書(もれなく記入する)とともに検査機関へ送ります。検査機関へ送る前に一時保管する場合は、冷蔵庫(6±2℃)内で保管します。採取から時間が経つほど菌数が変化してしまい採取時の菌数と検査時の菌数に乖離が生じます。
Q. 採取から検査にかけるまでの時間は何日くらいが限度ですか?
A. 「公衆浴場における浴槽水等のレジオネラ属菌検査方法について」(令和元年9月19日薬生衛発0919第1号厚生労働省医薬・生活衛生局生活衛生課長通知)によると『採水後2 日以内に検査を実施することが望ましい。再検査を含め5 日以内に検査を実施する。』とあり、冷却水もこれに準ずる必要があります。
Q. レジオネラ属菌の検査では菌種まで同定しますか?
A. レジオネラ属菌は60種以上が確認されていますが、病原因子が解明されていないため、全ての菌種がレジオネラ症を引き起こす可能性があると考え、通常の検査では菌種まで同定しません。
Q. レジオネラ属菌検査で精度管理を行っていますか?
A. 英国健康安全保障庁(UKHSA)が実施するレジオネラ属菌外部精度管理(Leg-EQA)に毎年参加して精度管理を行っています。
Q. 検査成績書の発行にはどのくらいの時間がかかりますか?
A. レジオネラ属菌検査は10日間(営業日)程度を要します。
Q. 検査成績書にある「レジオネラ属菌検査指定精度管理実施機関」とは何ですか?
A. 抗レジオネラ用空調水処理剤協議会で定めた検査方法・精度管理を実施していることを、協議会で認定した検査機関です。
Q. 冷却塔の運転開始時には何を行うべきですか?
A. 冷却塔、冷却水管の物理的な清掃に加え、過酸化水素や有機系殺菌剤などによる化学洗浄を実施します(化学洗浄は使用終了時にも行います)。また、数日以上にわたる使用休止後は、再開する前に殺菌などの処理を行います。
Q. 定期的なレジオネラ属菌対策は必要ですか?
A. 必要です。化学洗浄などをしてもレジオネラ属菌を完全に排除できるわけではなく、再び混入・増殖する可能性があります。そのため、定期的な清掃と化学洗浄、運転中の継続的な殺菌処理が必要です。
Q. 化学洗浄の効果はどのくらい持続しますか?
A. 適切な化学洗浄直後は検出限界以下まで菌数を低減できますが、その効果は長期間持続せず、運転状況によっては約10日程度で洗浄前の状態に戻ることがあります。そのため、洗浄後も継続的な殺菌処理が必要です。
Q. 殺菌剤の効果を維持するために必要なことは?
A.
殺菌剤だけでなく、水処理全体の管理が重要です。
冷却水の濃縮管理
スケール防止
バイオフィルム防止
腐食防止
これらを適切に管理することで、殺菌剤の効果を維持できます。
Q. 殺菌剤の添加方法にはどのような種類がありますか?
A.
主に2種類あります。
間欠添加(衝撃添加):一定間隔で高濃度の薬剤を投入する方法
連続添加:薬液注入ポンプで一定濃度を維持する方法
菌数が増加した場合は、高濃度添加や化学洗浄を組み合わせることが効果的です。
Q. 殺藻剤で藻を除去すればレジオネラ属菌も防げますか?
A. いいえ。藻を除去してもバイオフィルムが残っている場合はレジオネラ属菌が増殖できるため、殺藻剤だけでは十分な対策とはいえません。
Q. 抗レジオネラ用空調水処理剤協議会に登録されていない薬剤でも効果はありますか?
A. 効果がある薬剤も存在する可能性はありますが、有効性や安全性の十分な検証が行われていない場合があります。登録薬剤は一定の基準を満たしているため、より安心して使用できます。
Q. 協議会登録薬剤であれば、どれでもレジオネラ属菌に効果がありますか?
A. はい。登録された薬剤・原料はいずれもレジオネラ属菌に対する有効性が確認されています。ただし、水質や設備条件によって効果は異なるため、適切な薬剤選定や使用方法については弊社にご相談下さい。